2017年2月22日

 

 

 

 

 

ハイパーループという超先端移動手段の学生コンペ

 

 

日本では全く知られることのない大きなインフラ変更の動きを、アメリカの高校生までが加わっているという記事

 

 

 

 

 

 

 おはようございます。

 

 今回は以前にご紹介した「ハイパーループ」という、5、6人乗りカプセル型リニアモーターカーのカリフォルニアでの試みに関する続報です。

 

 ハイパーループは時速1000キロでチューブの中を磁気浮揚で走り、10分から20分に一本の割合で、都市中心部から郊外、大陸横断までするという、今後100年に及ぶ全く新しいトランスポーテーション・システム・インフラの変更です。

 

 この試みとともに、「サイドウォーク・ラブズ」Sidewalk Labsというインフラ改革企業があり、またウーバーといったライドヘイリング企業、グーグルを中心とした完全自動運転車(レベル4という、アクセル、ブレーキ、ハンドルのない自動運転車)が、さらにアマゾンの飛行船からのドローン配送が、全く新しい世界を創造するという巨大な動きがアメリカで始まっています。

 

 このハイパーループとはSpaceXとテスラ・モータースのイーロン・マスクが、2012年にその概念を発表し、「ハイパーループ・ワン」という会社がそれを現在アブダビとドバイで、実際に建設しているものです。

 

 当初はカリフォルニアを縦断するというイーロン・マスクの計画を実行するつもりだったらしいのですが、それが取りやめになったようです。たぶん、資金の問題だと思います。カリフォルニアはお金がありません。アメリカ自体にも。そこでアラブ首長国連邦に売り込んだのでしょう。

 

 今回ご紹介するのは、以前ご紹介した「ハイパーループ・ワン」の建設事業ではなく、SpaceXのハイパーループの性能コンペティションです。これは様々な部門に分かれて、学部を含む大学のチームが参加しました。しかも、なんと高校生のチームまでが参加しています。

 

 SpaceXはもうすでに自社の敷地に1.6キロに及ぶハイパーループのトラックを建設して持っているそうです。今回のコンペティションはそこで行われました。

 

The Hyperloop One System

(ハイパーループ・ワンのデモCG映像)

https://www.youtube.com/watch?v=fze5spdN3nU

Hyperloop One: The Future Is Happening

(ドバイで建造中のハイパーループ)

https://www.youtube.com/watch?v=HHLNI-m-Xa4

 

これ以外もHyperloop Oneやhyperloopで検索すると無数に映像があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SpaceXが次世代交通システムのコンペ、優勝はDelft

 

 

 

2017/02/07 14:05

神近 博三

 

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/020706156/?ST=tomict&P=1

 

 

 

 米Space Exploration Technologies(SpaceX)社は20172729日、次世代交通システム「Hyperloop」の乗り物部分にあたる「Pod」の技術コンペティション「Hyperloop Pod Competition」を開催した(Hyperloop Pod Competition公式サイト)。コンペには欧米の大学から27チームが参加。Pod試作品を米カリフォルニア州HawthorneのSpaceX本社近くにあるテストコースで走らせて、その性能を競い合った。

 

 

delft大学

 

 

 

 Hyperloopは減圧されたチューブの中を列車が高速で移動するというもの。米実業家のElon Musk氏が2012年にそのコンセプトを提唱し、現在は米Hyperloop One社が中心となって商用化プロジェクトを進めている

 

 日現在、公式サイトではコンペの結果をまだ公表していないが、ニュースメディアの「ビジネス・インサイダー」ドイツ版によると、オランダのデルフト大学のチームが総合評価でトップを獲得ドイツミュンヘン工科大学が最高速度部門賞、米マサチューセッツ工科大学(MIT)チームは総合評価で第だった

 

 Hyperloop Pod Competitionは2016年にも開催されたが、そのときはPodのデザインを競うもので、テストコースを実際に走らせるコンペは今回が初めてとなる。主催者であるSpaceX社は、今回の結果を踏まえて2017年夏、最高速度に絞って評価する「Hyperloop Pod Competition II」を開催するとしている。

 

 

 

ドイツTechnical University of MunichのWARR Hyperloop

 

 

 

MIT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Elon Muskのハイパーループポッドコンクールの優勝たち

 

Here are the big winners of Elon Musk's Hyperloop pod competition

 

 

 

 

 

30.01.2017, 04:32

Danielle MuoioBusiness Insider

 

http://www.businessinsider.de/elon-musk-spacex-hyperloop-results-first-phase-2017-1?r=US&IR=T

 

 

 

 

TThe Hyperloop awards were 3D printed and signed by Elon Musk.

ハイパーループ賞は3D印刷され、イーロン・マスクに署名された。

 

 

 

Two international university teams clinched top honors for the first test phase of Elon Musk's

Hyperloop competition that ran this weekend.

 

 2つの国際的な大学チームが、今週末に実施されたイーロン・マスクのハイパーループ・コンペティションの最初のテストフェーズで最優秀賞を受賞しました。

 

 

The Delft Hyperloop team, of Delft University in the Netherlands, got the highest overall score. 

Technical University of Munich, Germany secured the award for the fastest pod. And MIT placed 

third overall in the competition, which was judged by SpaceX engineers.

 

 オランダのデルフト大学のデルフトハイパーループチームは、総合スコアが最も高くなっています。 ドイツのミュンヘン工科大学が最速のポッドを獲得しました。 そして、MITは総合スコアで3位につけました。コンペティションの判定はSpaceXのエンジニアが行いました

 

 

Although teams have been participating in the SpaceX Hyperloop competition since 2015, this 

weekend marked the first time qualifiers got the opportunity to test their Hyperloop pod on the 

mile-long SpaceX track. In 2016, SpaceX selected 30 teams to participate this weekend after passing 

through the design phase of the competition.

 

 チームは2015年以来SpaceX 社のHyperloopコンペティションに参加していますが、この週末は初めての予選通過者が、マイル級の長さのSpaceXのトラックでハイパーループポッドをテストする機会を得ました。2016年、SpaceX社は今週、コンペティションのデザインフェーズを通過した参加30チームを選びました。

 

 

However, only three teams were actually able to run their pods on the SpaceX Hyperloop track. 

Teams had to first pass a series of tests to be eligible for a run, ranging from a structural test to a 

vacuum chamber test, and only three university teams made the cut: MIT, Delft University, and 

Technical University.

 

 しかし、実際にはSpaceX Hyperloopトラックでつのチームしかポッドを走らせることができませんでした。 チームは最初に構造テストから真空チンバーテストに至るまで走行資格を得るために一連のテストに合格しなければならず、MIT、デルフト大学、テクニカル大学のつの大学チームのみが予選を通過して決勝に進みました。

 

 

The University of Maryland, Virginia Tech, and University of Washington also qualified to run, but

there was not enough time on race day for them to race their pods on the track.

 

 メリーランド大学、バージニア工科大学、ワシントン大学も走行資格を得ましたが決勝当日にコース上でポッドを競走する時間が足りませんでした

 

 

MIT and Delft University were the teams to beat going into the competition. MIT secured the Best 

Overall Design Award during the design phase of the competition in February 2016. Delft University 

had previously won the Pod Innovation Award.

 

 MITとデルフト大学はコンペティションに勝ち進んだことのあるチームです。 MITは、2016月にデザイン部門で最優秀総合デザイン賞を受賞しました。デルフト大学は以前ポッド・イノベーション賞を受賞したことがあります

 

 

 

 

MIT Hyperloop @MITHyperloop

First ever vacuum tube Hyperloop run 10:01 AM - 30 Jan 2017 

初めての真空管ハイパーループの走行

https://twitter.com/MITHyperloop/status/825871420638978048?ref_src=twsrc%5Etfw

https://www.youtube.com/watch?v=csAXt0qzSnA

 

(映像箱のツイッターアカウントからご覧になってください。)

 

 

 

The final phase of the competition will occur over the summer, but an exact date hasn't been chosen 

yet. Teams that weren't eligible to run their pods this weekend can still attend if they make necessary 

changes based on the different test results.

 

 競技の最終段階は夏に行われる予定ですが、正確な日付はまだ決まっていません。今週末にポッドを走らせることができなかったチームは、異なるテスト結果に基づいて必要な変更を加えれば、引き続き参加することができます。

 

 

Here's a list of all the awards:

 

Delft University: Highest Overall Score; Design and Construction Award

Technical University of Munich (WARR Hyperloop): Fastest Pod Award

MIT: Safety and Reliability Award

University of Maryland (UMD Loop): Performance and Operations Award

University of Wisconsin-Madison (Team Badgerloop): Pod Innovation Award

rLoop (the only team unaffiliated with a school): Pod Innovation Award

 

すべての受賞リストは以下の通りです:

 

デルフト大学:最高総合スコア; 設計製造

ミュンヘン工科大学(WARRハイパーループ):最速ポッド賞

マサチューセッツ工科大学安全信頼性賞

メリーランド大学(UMD Loop):パフォーマンス・オペレーション賞

ウィスコンシン大学マディソン校(チームバッジループ):ポッドイノベーション賞

rLoop(学校と関係のない唯一のチーム):ポッドイノベーション章

 

 

 

 

 

 

 

 編集部からのコメントです。

 

 「ものつくりニッポン」」はどこの大学も院も研究機関も参加していないのでしょうかと、非常に心細い思いだったのですけれど、朗報です!慶応大学が参加していました!

 

 

世界が注目する次世代交通「ハイパーループ」への挑戦

Keio Times

https://www.keio.ac.jp/ja/keio-times/features/2016/8/

http://keioalpha.wixsite.com/hyperloop

 

 

 なのですが・・・・・。8人のチームのうち7人が日本以外のアジア人学生です。残る一人は指導教授でした。つまり、慶応大学という「プラットフォーム」で出場した「日本以外のアジア学生連合チーム」というべきでしょう。日本の大学が、アジア人を集めて世界に乗り出すというのは素晴らしいことです。

 

 ハイパーループは真空のチューブ(完全に真空というわけではなく、高速を出すために抵抗を下げるため、空気圧を低くしたチューブであるようです)を磁気浮揚でカプセルのような形のリニアモーターカーが走るというものです。

 

 考えてみたら、列車にする必要は全くありません。なぜ日本のリニアモータカーは、新幹線をそのまま変更しただけなのでしょう。発想が全く違いますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうしたニュースは、医療にはほぼ関係がありませんが、当社はIT企業であり、常に先端の情報と潮流に敏感になっていなければ死活問題になります。それはIT業界すべてに言えますし、それで時代に乗り遅れたら、関係企業にも影響が現れます。

 

 そして、現在、あたらしいインフラ改革が欧米を中心にユーラシアでも起こりつつあります。当然、日本にもその影響は大きくのしかかります。そして、外国の報道を見ると、グーグルやアマゾン、アップル、マイクロソフトをはじめとして、あらゆる会社が新しい技術やサービスを「2020年には商業ベースに完全に乗せて、実用化する」というのがスローガンのようになっています。

 

 それは、現在、21世紀の最初の5分の1が20世紀技術の残滓にあずかっているだけで、新世紀の5分の1が過ぎたら「新たな世界」を作り上げていこうということです。だから東京オリンピックが重要な位置づけになります。当然日本はその時に、完全自動運転車、ドローン配送、Airbnbやウーバーのようなサービス(これは大会の死活問題になるでしょう)、Amazon GoやAlexaのような新しいサービスがデモンストレーションでもよいからなければ、「モノつくり技術立国ニッポン」は完全に世界から笑われることが目に見えています。

 

 100年前、1917年を考えてみてください。当時はまだニューヨークのような大都市でも馬車です。馬車からようやく車になろうかという時です。都市の真ん中は馬糞だらけでした。街頭はランプが主流です。

 

 そこで当時世界の新興国として躍り上がってきたアメリカは、いち早く自動車や電気ガス水道などのインフラを導入していったのです。当時の日本は戦前まで鉄道一点張りでしたね。日本の近代的インフラは満州で外国人エンジニアたちが設計したのです。

 

 その100年前を今の私たちが見ると、何をもたもたと、バカみたいな人たちだと思います。しかし、今の日本はまさにそのさなかにあります。

 

 前回、ビッグデータの記事の中に、職場の中や社会にデータの意識が薄いということが最大の障害だというのがありました。それは裏を返すと「経験と勘に裏打ちされた職人芸という人力が幅を利かせている」という意味です。

 

 こうした意識は、なかなか払しょくできず、おそらくアメリカとユーラシアににこの10年で巨大投資が行われて、その成功の成果をアメリカを中心にした外国当局が、日本の行政に号令を出させ、大企業が音頭を取ってインフラ改革を行うというこれまで通りの流れになるのではないでしょうか。

 

 どのような形でも構いませんが、私たちはその実際を見る前に、この情報豊かな社会の中で、少しでもそうした意識を持っていることが今後の生き方の構えであると思います。

 

 少なくとも、ビジネスをしている人間はどのような業界でもこうした「新常識」を知っていること、アンテナを張っていること、現実に自社のビジネスに生かして、商業ベースに乗せることということを意識していることは必須でしょう。もし、そうでない場合、やる気がない会社とみなされて、嘲笑を食らうだけならマシですが、自然に業界から見放されていくことは間違いないのです。

 

 当社ノートウェアはそうした企業になるつもりは毛頭なく、コンピューティングビジネスの黎明期から操業し、近年ではいち早くクラウドを導入した先見をもって進んでいきます