2017年2月6日

 

 

「ヘルステック」続報!

 

 

 

 

 1月の末に「ヘルステック」という医療IT革命とは何かについての記事を3つほど掲載しました。今回は、スマホでDNAが診断できる技術が開発されたという記事を掲載します。

 

 スマホやウェアラブルデバイス、健診キットというサービスは、「ヘルステック」の具体的実現のための入り口です。現在、血液検査やDNA診断のキットも開発提供されております。それがさらに精度を高めていく世界的に大きな動きがあります。

 

 「ヘルステック」に関する情報は、逐一、小さなものでも発表していきますので、関心のあるかたは、ぜひ当社HPのチェックをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

スマートフォンでDNA診断できる時代が到来!?

 

 

 

ギズモード・ジャパン

1月25日配信記事

 

 

 

SF世界の医療がついに現実に…?

 

 これまでDNAシーケンシングを行うには、十分な設備とお金が必要でした。しかし、The Atlanticによると、スマートフォンひとつでそれができてしまう時代が来るかもしれません。

 

 米カルフォルニア大学ロサンゼルス校とスウェーデンの研究チームはスマートフォンのカメラを使って、DNAシーケンシングするのに必要な細胞内にある蛍光物質を検出できる顕微鏡を作成していると発表しました。これは、十分に設備の整った医療施設でなくても、スマートフォンと専用の顕微鏡があれば、腫瘍などにDNAシーケンシングや分子解析ができることを意味します。つまり、理論上は場所を問わずどこでも高度なガン診断が可能になります。まるで、スタートレックのトリコーダーのようですね。

 

 研究チームは「Nature Communications」に研究成果を投稿しており、病院から遠隔で医療を行う通信医療の発展に役立つだろうと述べています。今日、DNAシーケンシングや他の分子診断などは、正確にガンを診断するための基本的な手法となっています。しかし、十分な医療設備がない場所では、行うことが難しい状況にあるのです。

 

 「現在、リソースが限られた状況において、分子診断はニーズを満たせていません。分子情報が得られないために、病状の効率的な管理ができない状況にあるのです」と、研究チームは述べています。

 

 そこで研究チームは、ハイエンドな病理顕微鏡と同じくらいクオリティの高い画像を撮影できるカメラを持ったスマートフォンなら、分子診断に使えるのではないかと考えました。

 

 彼らは、Nokia Lumia 1020 のカメラに装着できる軽量な光学装置を設計し、3Dプリンターで作成しました。この装置には、蛍光画像用のコンパクトなレーザーダイオードが2つと、明視野画像用の白色発光ダイオードが1つ、内蔵されています。

 

 この装置を使って、研究チームは大腸ガン細胞株と腫瘍のサンプルのDNAシーケンシングに成功しました。また、機械学習のアルゴリズムを使うことで、ガン診断用の画像を処理しています。理論的には、ガラスプレートとスマートフォンだけで、腫瘍について十分な情報を採取することができるのです。

 

 研究チームによると、「イメージセンシングと計算能力、インターネット接続の急速な発展のおかげで、スマートフォンによる生体医学的測定法は、研究施設から現場への移行が可能になってきている」とのことです。

 

 「スタートレックのトリコーダー」を現実のものにすることは、現代医学の長い夢です。2013年にGoogle(グーグル)は、ガン検出のためのトリコーダーを作ることを発表しています。そして2014年には、イギリスの企業「Oxford Nanopore Technologies」が、マッチ箱サイズでUSB給電できるDNAシーケンサを発売しています。

 

 でも、Googleはいまだにトリコーダーを製品化していません。Oxford Nanoporeのシーケンサも、国際宇宙ステーションのような場所で使われていますが、価格は500ドル(約5万7000円)と高価かつ、使用するには専門知識が必要で、しかも正確性に難があります。

 

 今回のスマートフォン用顕微鏡には、まだ発展の余地があるとのことです。顕微鏡を使用するには技師が必要ですし、また、精度とシーケンシングの量についても、改良に伸びしろがあるそうです。

 

 スマートフォンひとつで、病気の診断ができる日が来るんでしょうか。ぜひとも、実現してほしいですね。

 

 

 

 

 

 

 編集部からのコメント。

 

 「御意!」といいたくなる最後の一行です。私たちノートウェアは医療系IT企業ですので、スモホ一つで簡単に健診・検査が実現できることを目指しています。Amazon GoやAmazon Echoの医療版の実現です。

 

 女性や高齢者、障害のあるかたや忙しいビジネスマン、学生、子供たち。あらゆる人が、快適で便利に時間を取らずスムーズで親身な患者さんに寄り添う環境を、ITテクノロジーで実現することが私たちの使命であり、夢です。

 

 スマホ健診やAIによる分析技術を核に、医療の「エコシステム」(すべての関係者や業界がある目的に対して、各々が機能的に協働し、目的を達成すること)を構築して行くことが、今から2020年に開催される東京オリンピックまでの3年間に私たちに課された課題です。