2017年4月19日

 

 

 

 

 

「ロボレジくん」がついに登場

 

 

 

 

 

英米ではすでに廃止されたセルフレジという名のコストと不便の象徴

 

 

 

 

 おはようございます。本日はイタいニュースです。

 

 このページではイタいIT進歩のニュースも掲載して、何が本当の技術進歩で、何が本当に世の中を便利、快適にするのかという切り口で情報をお届けします。

 

 昨年、2016年12月に「Amazon Goの衝撃」という記事を掲載しました。

 

http://www.noteware.com/Amazon%20Go.html

 

 詳しくはそこに書かれていますが、フィナンシャルタイムズの引用に対するコメントにこう書きました。

 

 

 

(引用開始)

 

 

 「記事を読むと、小売り店員は2005年よりも若干増えている。その間の10年、ショッピングにICカード、そしてセルフレジができたにもかかわらずこういう結果となっているのは、多くの来店客が、袋詰めエリアでロボットからのたしなめを受けることにうんざりし、人間とのやり取りを好んでいるからとある。

 

 

 このロボットというのは自動化したレジのことだ。しかし、ウォルマートをはじめとした欧米のデパートが、無人レジを廃止し、従業員を増やしているという。レジに並ぶ列を習いを変えるなどしたほうが効率がいいらしい。

 

 

(引用終わり)

 

 

 

 つまりRFIDというICタグを利用した無人レジはウォルマートなどで数年前に導入され、すでにス年前に廃止されているのです。今回日本で(パナソニックとローソンの共同開発)開発されようとしているコンビニ用のロボレジもこれで、オリジナルの部分は袋詰めをしてくれることです。卵思わらずに入れてくれるそうです。

 

 

 確かにその部分だけ優れていて、「モノづくりのニッポン」といなくもないですが、ことの本質を見誤っています。すでにダイエーなどでセルフレジはありますが、結局そのシステム導入や保守にコストがかかり、社員が不正がないか、戸惑っているお客さんがいないかを常に監視しています。これではセルフではないし、コスト削減にもならない。お客さんが戸惑うことに加えて、今の日本のレジ係は派遣プロがやっていたりしますから、素人より早いのです。

 

 

 このロボレジ導入も7月から試験という遅さに加えて、2025年までをめどに全国に導入という計画らしいです。しかし、2020年の東京オリンピックまでが自動運転車なり、完全無人ショップなり、ハイパーループなりの新しいインフラや製品、サービス確立のリミットとして大方の企業は設定しています。いまから8年後の目標設定は、端的に事業計画としても遅すぎるのです。そして、その時にはAmazon Goは当たり前の物になっていると思います。

 

 

 当社の上記URLの「Amazon Goの衝撃」と合わせてお読みいただけると、現在のIoTやAI状況や、ロボレジの開発の位置づけ、本当の意味が理解できると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全コンビニに無人レジ 大手5社、流通業を効率化 
ICタグ一斉導入

 

 

 

 

 

 

2017/4/18 1:34

日本経済新聞 電子版

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO15427060Y7A410C1MM8000/

 

 

 

 

 セブン―イレブン・ジャパンやファミリーマートなど大手コンビニエンスストア5社は消費者が自分で会計するセルフレジを2025年までに国内全店舗に導入する。カゴに入れた商品の情報を一括して読み取るICタグを使い、販売状況をメーカーや物流事業者と共有する。深刻化する人手不足の解消を狙うとともに、流通業界の生産性向上につなげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 経済産業省と共同で発表する「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」に、25年までにセブンイレブン、ファミマ、ローソンミニストップ、ニューデイズで取り扱う全ての商品(計1000億個)にICタグを貼り付けると明記する。

 

 

 コンビニで買い物をする消費者は商品をカゴや袋に入れたまま専用機械を組み込んだ台に置くだけで会計できる。スーパーではバーコードを一つ一つ読み取るセルフレジが広がりつつあるが、日用品を扱う大手がカゴごとに瞬時に会計できる仕組みを全面導入するのは世界でも例がないという。

 

 

 コンビニ大手5社が共通のICタグを使うことで納入業者が異なる規格に対応する必要がなくなる。経産省は各社の系列のスーパーやドラッグストアなどに活用が広がることを期待している。

 

 

 ICタグは厚さ1ミリメートル以下で、商品の包装に組み込む。RFID(無線自動識別)と呼ばれる技術を使い、商品情報を書き込んだり内容を機械で読み取ったりできる。

 

 

 ICタグを読み取るレジは100万~200万円の見通しで、全国のコンビニ約万店に導入すると500億~1000億円の新たな投資が発生する可能性がある。

 

 

(編集部注記: 価格.comのレジ比較です。コンビニのオンラインのPOSシステムは安くはないのでしょうが、この比較を見ると大概は1~5万円程度。高いもので10万円台です。少なくとも一台100~200万円というのは、はたしてコンビニオーナーさんがそれをせおうということなのでしょうか。)

 

http://kakaku.com/search_results/%83%8C%83W%83X%83%5E%81%5B/?category=0025_0003

 

 

 

 経産省はコンビニやIT(情報技術)企業、食品メーカー、物流業者などを集めた協議会を年度内に発足させる。コンビニ各社は18年以降、首都圏など都市部の店舗からセルフレジ化を進める。

 

 

 タグには商品が作られた日時や工場、消費期限などの情報も書き込める。遠隔でも閲覧可能で、メーカーは商品の販売状況を即時に把握できる。生産体制を迅速に整えたり、販売計画を立てたりできるようになる。

 

 

 メーカーが店頭の需要に合わせた商品を提供することでコンビニから返品される商品も少なくなり、物流業者の負担抑制にもつながる。消費者もインターネットを通じて自宅から産地や消費期限を確認できる。

 

 

 大手コンビニ5社がICタグ導入に踏み切るのは、人手不足が一段と深刻化しているためだ。コンビニを含む小売店のアルバイトの有効求人倍率は17年2月時点で2.8倍と高止まりしている。コンビニ5社は店員を全く置かない無人店舗の設置も進める考えだ。

 

 

 課題はICタグの生産コストだ。現在は1枚あたり10~20円程度で、数十円の商品も取り扱うコンビニでの導入の壁となっている。経産省は技術開発と量産化に向け、タグを開発する企業への補助金などで普及を促す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 編集部からのコメントです。

 

 

 さらにRFIDのタグ一枚を作るのにコストが10~20円。高いです。これはgu様がすでに、医療在庫の管理に活用しているそうです。在庫管理用の物であって、それを応用するアイディアはいいのですが、Amazon Goのシステムには勝てません。まだAmazon Goは稼働していないようですが。

 

 

 それでも、ロボレジはかごを置くだけですべて瞬時にチェックされ、袋にも詰めてくれるので、非常に早い。アルバイトさんは品出しや掃除などに集中できます。レジでアルバイト店員の対応に憤慨することもなくなりますね。

 

 

 よい側面で見れば、AI画像認証のAmazon Goはシアトルでもまだ本格的には稼働していないようです。続報が待たれます。その間の過渡的な試みとして見るべきでしょう。それでもコストが高すぎますね。

 

 

 いずれガラケーやポケベルのようなものになるという印象です。スマホですらすでに時代の波が押し寄せていて(Alexaや疑似ARのデバイスの波です)、あと5年以内に消えると思います。

 

 

 経産省は数ある省庁の中でも、栄光の6、70年代に産官学の通産省モデルを作って、日本の先進国の仲間入りをさせ、欧米から脅威をもって研究された監督官庁です。規制を真っ先に考える行政組織の中で、進歩をまず優先する非常にリベラルなビューローですね。

 

 

 経産省の意気込みはわかりますが、やはりこの試みはその先のAI画像認証による完全無人ショップ実現のための過渡的なものと位置づけ、Amazon Goを徹底研究していただきたいと思うのです。